ACE COMBAT 3
electrosphere
近未来で繰り広げられる超大作SF
製品概要
エースコンバット2の発売から2年後の1999年5月、「エースコンバット3 エレクトロスフィア」が発売された。初代プレイステーションのエースコンバット最終作の本作はCD-ROM2枚組となり、ボリュームは前作から圧倒的に増やされている。「2」では実在の軍用機が登場し、現実世界と大きな乖離のない時代設定だったが、本作は2040年という近未来が舞台となるのが特徴。登場キャラクターも個性豊かな顔ぶれが揃い、シリーズのなかでも特に人間ドラマを色濃く描いている。キャラクター同士は、データスワローと呼ばれる端末を用いて実際に顔を合わせることなく会話し、ミッションの間には仲間からビデオメッセージが届くという演出も時代を先取りしたもの。ストーリーの各所には佐藤大氏が手がけたアニメーションが差し込まれ、シリーズのなかでも異風を放っている。
また、シナリオが分岐するマルチエンディング制を採用したことも本作の大きな特徴。プレイヤーの行動により所属先が変わっていき、全部で5つのエンディングが用意されている。さらに、全てのエンディングを見ることで真のエンディングに辿り着ける「隠し要素」も存在。いくつかのミッションは異なるルート間でザッピングし、あるミッションは別な視点で描かれるなど、プレイヤーを飽きさせない工夫が数多く盛り込まれた。
操作系も前作から大きく進化した。△ボタンによる敵の注視、3人称視点時に視点を動かせる機能が追加され、操作感覚は今に通ずるものとなった。一方、プレイアブル機体は実在機を大幅にカット。残った実在機も近未来的に改修されたものとなり、ミリタリー色の強かった前作からSF色の方向性にシフトした。そのためF-14、A-10、ラファールのようなメジャーな機体は登場せず、代わりにRナンバー機と呼ばれる本作オリジナルの機体が揃っている。また機体売買が廃止され、各ミッションで選べる機体はほぼ固定となり、自由な機体で出撃できなくなった。一方、機銃やミサイルは数種類から選択でき、好みの組み合わせで出撃できる。なおRナンバー機は、エースコンバットXでもお目見えしている(但し、本作とは異なる機体)。さらに「R-101 デルフィナス#1」や「X-49 ナイトレーベン」は、エースコンバットINFINITYでも収録された。
ゲームモードは、前作同様ストーリーが中心となるが、全てのエンディングを迎えることで、ミッションシミュレーターが遊べるようになる。これは他作品のフリーミッションに相当するもので、各ミッションを任意の機体でプレイできる。またストーリーの達成度により、作中のライバルが乗っていた機体や特別な兵装も使えるようになる。
世界観は「2」と同じ大陸(ユージア)が舞台となり、前作で馴染みのある地名が多数登場する。しかし、時代は40年以上未来ということもあり、その様相が大きく異なっている。次回作の「04」も同じユージア大陸が舞台だが、「3」がストレンジリアル世界の正史として組み入れられたのは、「7」の発売時。「7」では「3」への布石となるキーワードが散りばめられるなど、より世界観の結びつきを強くしている。
ストーリー
2040年、巨大連邦国家USEAでは国家という枠組みが意味をなさなくなり、巨大な多国籍複合企業のゼネラルリソース、先進的な科学技術を誇るニューコムの2社が強大な力を誇るようになっていた。2038年から両社は緊張状態にあり、各地で多くの紛争が勃発。そんな紛争が激化し、ここ最近は軍事的様相を帯びている。これを受けて治安維持対策機構(UPEO)の特別航空部隊(SARF)に所属する主人公(NEMO)は、同僚のレナ、フィオナ、エリックらと共に、企業間紛争鎮圧のため出撃するのだった。