ACE COMBAT ZERO
THE BELKAN WAR
エースの生き様を存分に描いた異色作
製品概要
前作「エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー」の発売からおよそ1年半後の2006年3月、シリーズ6作目となる「エースコンバットZERO ザ・ベルカン・ウォー」が発売された。ナンバリングが「ZERO」であることからもわかるとおり、シナリオの時系列的に最も古い時代(1995年のオーシア大陸)が舞台。「5」の前日談となるベルカ戦争が詳細に描かれ、ウォードッグ隊と親交が深かったおやじさんことピーター・N・ビーグルや、ジャック・バートレットが現役で飛んでいる様も確認できる。幕間ムービーは、前作のフルCGから一転し、実在の俳優が演じる実写が採用されたこともシリーズ初の試み。
また、本作では「エースとしての生き様」をプレイヤーが選択できる「エーススタイル・ゲージ」という新システムの導入が最大のトピックとなっている。プレイヤーの行動により、力と金に生きる「マーセナリー・エース」、戦場を生き抜く戦局眼を持つ「ソルジャー・エース」、プライドに生きる「ナイト・エース」の3スタイルのどれかに分類される。このスタイルの違いにより、ライバルエースや無線の内容が変わるため、飽きずに周回プレイを楽しめるのが魅力。また、前作では3名の僚機が存在し、各パイロットに任意の機体をあてがうことができたが、今回の僚機は1名のみで、機体は固定。しかし作戦指示のコマンドは前作から踏襲された。BGMはフラメンコを基調とした新しい切り口となっており、シリーズ屈指の激しいパッションを感じさせる作風となっている。
プレイアブル機体は36機体と、前作から大きく削減された。しかし、「5」では同一機体の派生モデルが多く(例えばF14A、F-14B、F-14D)、それを考慮すれば本作もボリューム感は十分と言ったところ。「04」で初登場したオリジナル機体のX-02、「5」で初登場したFALKENも継続投入され、「04」と「5」のセーブデータがあればこれらも容易に入手可能。特殊兵装は、「04」と同じく各機体で複数選べる仕様に戻されている。ミッション数は「04」と同じく18で、これに加えてスペシャルミッションがひとつ楽しめる。同じPS2作品ながらグラフィックはさらに進化し、PS2世代の最後を飾る秀逸な仕上がりとなっている。
ゲームモードは、ストーリーを楽しめる「キャンペーンモード」、「04」以来となる「VSモード」を収録。また、「キャンペーンモード」で撃墜した敵のプロフィールを確認できる「アサルト・レコード」が新たに搭載された。これは総計168名にも及ぶ敵キャラクターの年齢、性別、プロフィールを図鑑のように確認できるというもので、記録を埋めるやりこみ要素としても機能している。なお、「アサルト・レコード」は後の「6」にも引き継がれている。
ストーリー
オーシア連邦とユークトバニア連邦共和国を巻き込んだ環太平洋戦争(2010年)から遡ること15年以上前。極度の財政難やオーシア連邦による領土拡大を受け、ベルカ公国は極右政党が政権を獲得した。「昔ながらの強いベルカ」を求める世論の後押しもあり、小国ウスティオでの天然資源発見を契機に、ベルカはウスティオを含む隣国への侵攻を開始。そして1995年3月、ベルカは周辺国に宣戦布告してベルカ戦争が勃発した。領土のほとんどをベルカに占領されたウスティオ政府軍は、外国人傭兵部隊を組織し、オーシアとの連合作戦に望みをかける。その部隊にいたのは、「サイファー」と呼ばれたひとりの外国人傭兵。本作の主人公であるサイファーは、”片羽の妖精”の異名を持つピクシーとともに、ベルカの戦乱を戦い抜くことになった。