開発経緯・機体概要
マクドネル・ダグラス社が、複座型の制空戦闘機F-15Bをベースに開発した実験機がF-15 S/MTD。主な開発目的は短距離離着陸(STOL)で、これは「アジャイル・イーグル・プロジェクト」と呼ばれている。外形の大きな特徴は、エアインテーク部のカナード翼が装着されたこと。これはF/A-18の水平尾翼を流用し、高迎え角度時の円滑な飛行制御や強い横風での着陸を可能とした。また、2次元スラストベクタリング/スラストリバーシング排気ノズルを搭載し、この技術はF-22の開発にも活かされている。初飛行は1988年で、実験はアメリカ空軍飛行試験センターで1991年まで行われた。
1993年にはアメリカ空軍からNASAに移管され、機体名は「F-15 ACTIVE(Advanced Control Technology for Integrated Vehicles)」に改められた。エンジンはF100-PW-229に置き換えられたほか、3次元ノズルを装着したのがトピック。1999年には知的飛行制御システムの開発に移行し、「F-15 IFCS」と改名。最終的には2009年まで実験機として運用され、現在はアメリカ・カリフォルニア州にあるエドワーズ空軍基地で保管されている。
エースコンバットでは?
エースコンバットシリーズで初登場したのは「04」。本作での機体名称は「F-15 ACTIVE」だが、実機とは異なり単座モデルに変更されている。さらに、実際のF-15 ACTIVEでは3次元ノズルが採用されるが、作中はF-15 S/MTDと同じく四角い2次元排気ノズル。つまり実際には存在しない仕様となっている。また、「2」ではカナード付きのイーグルとして「F-15S」、「3」では本機体をモチーフとした「F-15S/MT」が登場。これらも現実には存在しないモデルだが、F-15 S/MTDに近い仕様として収録された。
実機に比較的忠実なモデルとして初めて登場したのは「5」で、その後も「ZERO」、「X」、「X2」などに収録。PS4世代の「7」では発売当初収録されなかったが、ファンの熱い要望に応える形で2021年4月の有料DLCで追加収録となった。シリーズでは敵エース部隊のイメージが強く、「5」ではグラーバク隊、「ZERO」ではソーサラー隊の搭乗機としてプレイヤーを苦しめた。しかし、プレイアブル機として見ると高機動、強兵装を搭載可能なことが多く、心強い機体でもある。
主な兵装
・なし