開発経緯

　マクドネル・ダグラス社（現ボーイング社）の制空戦闘機F-15をベースに、対地攻撃性能を付与した改修型がF-15E（愛称：ストライクイーグル）である。1981年、アメリカ空軍は戦闘爆撃機F-111の後継機を模索しており、強化型戦術戦闘機計画（ETF）を発表した。この計画に向けて、マクドネル・ダグラス社は複座型F-15Bをベースとする機体開発を行った。一方、ジェネラル・ダイナミクス社はF-16をベースとするF-16XLを開発。これに対しアメリカ空軍は、兵装搭載量や生産コストなどを考慮した結果、マクドネル・ダグラス案を採用することに決定を下し、F-15Eとして開発が継続された。1986年に初飛行が行われ、1988年に運用開始。なお、アメリカ空軍のほか、派生型をサウジアラビア、イスラエル、韓国などが運用している。

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　大幅改修型「F-15EX イーグルII」

　また、2018年には制空戦闘機のF-15C/D後継として、大幅改修型のF-15X開発計画が浮上した。これはF-15C/Dが老朽化してきたこと、後継機F-35の配備が遅れていることが理由とされている。2021年2月に複座型F-15EXの初飛行が行われ、同年3月にアメリカ空軍に配備された。F-15EXは複座型でありながらパイロット一人でも運用可能で、「イーグルII」の愛称が与えられる。

 

　機体概要

　F-15Eの機体外形は、全長19.44m、翼幅13.05m、全高5.63mと、基本的にF-15と同じサイズとなっている。しかし、胴体側面にはコンフォーマルタンクが装備可能で、この場合は従来型よりもボリュームのある見た目となるのが特徴。また、構造強化のため機体の60%が再設計され、最大離陸重量は6トン増加し機体寿命も伸びた。エンジンは、当初プラット・アンド・ホイットニー社製F100エンジンを2基搭載していたが、後にゼネラル・エレクトリック社製F110エンジンに変更され、出力が向上している。コンフォーマルタンクなどの装備品を外した場合、アフターバーナーを使用せずとも音速飛行（スーパークルーズ）が可能。最大速度はマッハ2.5に達する。レーダーには「AN/APG-70」を採用し、全天候での対地および対空攻撃を実現。また、統合戦術情報伝達システム（JTIDS）を装備し、ほかのF-15EやAWACSとの戦術データリンクを構築できるのも特筆すべきポイントだ。

 

　兵装

　兵装は、F-15と同じく「M61A1 20mmバルカン砲」を固定武装として搭載。胴体および主翼下に設置されたハードポイントは、F-15Cの7箇所から最大19箇所に増やされており、数多くのミサイルや爆弾を搭載可能となっている。具体的には、空対空ミサイル「AIM-9 サイドワインダー」や「AIM-120 AMRAAM」、空対地ミサイル「AGM-65 マーベリック」、空対艦ミサイル「AGM-84 ハープーン」、対レーダーミサイル「AGM-88 HARM」、投下型爆弾として「マーク80シリーズ」、「ぺイブウェイ」、「JDAM」などを運用可能。

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　エースコンバットでは？

　エースコンバットシリーズでは、初めてプレイアブル機として収録されたのが「04」（エネミー機として「2」にも登場している）。その後、「5」以降の作品で皆勤の常連機体となった。なかでも「6」は主人公が所属するガルーダ隊のイメージ機体としてピックアップされ注目を浴びた。多くの作品では戦闘爆撃機としての役割もこなせるF-15Cの上位互換機として登場することが多く、機動性と対地攻撃性能を兼ねた使い勝手のよさが魅力。