開発経緯
ジェネラル・ダイナミクス(現ロッキード・マーティン)社のF-16戦闘機をベースに、三菱重工業が設計および製造する航空自衛隊の戦闘機がF-2。純国産だったF-1戦闘機の後継であり、第4.5世代ジェット戦闘機に分類される。1980年代に次期支援戦闘機計画(FS-X)が検討され、紆余曲折の後に
F-16をベースとした日米共同開発案が決定。1995年に初飛行が行われ、2000年から日本の航空自衛隊に配備されることとなった。F-2が最初に配備されたのは三沢基地の第3飛行隊で、現在(2021年)までに98機が生産されている。
機体概要
機体はベース機のF-16によく似た形状となるが、細かなところに相違が見られる。最も目立つのは主翼で、F-16よりも大型化され、形も異なっている。胴体は0.5mほど延長され、一部には先進的複合素材が採用された。また水平尾翼、ストレーキ部分の面積も拡大。主翼や水平尾翼の後縁には前進角も付けられた。レドーム下部は膨らみを持たせて大型化され、これに合わせてエアインテーク形状も変更。これにより全長15.52m、翼幅11.13(主翼端ランチャーを含む)、全高4.96mと、F-16よりやや大きい機体となった。エンジンは、ゼネラル・エレクトリック社製F110-GE-129を採用し、最大速度はマッハ1.7を実現。アビオニクスは、三菱電機社製のJ/APG-1 AESA(アクティブ式電子走査アレイ)レーダーなどを搭載する。
兵装
F-16と同じく「JM61A1 20mmバルカン砲」を1門搭載。また、翼端に各1箇所、翼下に8箇所、胴体下面に1箇所の合計11箇所のハードポイントが設定され、ここに様々なミサイルを搭載可能となっている。特にF-1戦闘機と同じく対艦攻撃任務を念頭に置いた設計となり、80式空対艦誘導弾(ASM-1)、93式空対艦誘導弾(ASM-2)を運用可能。そのほか、空対空ミサイルとして「AIM-9L」、「90式空対空誘導弾(AAM-3)」、「AIM-7F/M」、「99式空対空誘導弾(AAM-4)」、投下型爆弾として「マーク82」、ロケット弾として「J/LAU-3」などを搭載できる。
バリエーション
バリエーションは、単座の「F-2A」、複座の「F-2B」が存在する。そのほか、2004年に能力向上型であるF-2スーパー改がロッキード・マーティン社より提案された。これは複座のF-2Bをベースに、「AIM-120 AMRAAM」や「AIM-9X」、「JDAM」の運用能力、コンフォーマルフューエルタンク(CFT)への対応、F-110GE-132ターボファンエンジンへの換装などが提示されたが、現在のところこの機体の採用予定はない。
エースコンバットでは?
エースコンバットシリーズでの初登場は「04」。それ以降はシリーズの常連機体となっており、主な共通点としては実機と同じく対艦ミサイル(LASM)の運用能力が挙げられる。F-16Cよりも上位のマルチロール機という位置付けで、マルチロック式空対空ミサイルも運用できる場合が多く、中盤以降のミッション攻略では心強い存在。ただし味方、敵のエース部隊としてスポットライトを浴びたことはなく、今後の活躍が期待されている。なお、「7」のDLCでは提案に留まった「F-2A スーパー改」が配信され、自衛隊ファンを沸かせた。
主な兵装
・JM61A1 20mmバルカン砲(固定武装)
・AIM-9L サイドワインダー
・AIM-7 スパロー
・90式空対空誘導弾(AAM-3)
・99式空対空誘導弾(AAM-4)
・80式空対艦誘導弾(ASM-1)
・93式空対艦誘導弾(ASM-2)
・マーク82爆弾
・J/LAU-3/A ロケット弾ポッド
93式空対艦誘導弾(ASM-2)
防衛庁と三菱重工業が開発した空対艦ミサイル。終末誘導には赤外線イメージ誘導を用い、艦船の種別判別による目標選択を行う。航空自衛隊のF-2戦闘機では4発搭載可能。
AIM-7 スパロー
レイセオン社が開発した中射程空対空ミサイル。セミアクティブ・レーダーホーミング誘導方式を採用し、視程外射程が可能。航空自衛隊や西側諸国で広く運用されている。
J/LAU-3/A ロケット弾ポッド
70mm空対地ロケット弾×19発を収めるロケットランチャーがLAU-3/A。J/LAU-3/Aは日本で生産されたもの。艦船や戦車などを目標に一定間隔で発射され、広範囲を攻撃する。