開発経緯
ロシアのスホーイ設計局が開発した戦闘爆撃機がSu-34。1980年代のソ連空軍は、Su-24の後継となる新しい戦闘爆撃機の開発を模索していた。これを受けてスホーイ設計局は、Su-27フランカーをベースに開発を着手。1990年に初飛行が行われ、1997年頃に4機のSu-34が生産されたが、資金難により生産は一時的に中断となった。しかし2000年に製造が再開され、2007年からロシア空軍での運用が始まっている。
機体概要
Su-34はフランカーファミリーの一員として語られることが多いが、機体形状はSu-27と大きく異なっている。それゆえNATOコードネームも、フランカーではなく「フルバック(Fullback)」が与えられる。機体はSu-24と同じく並列複座を採用し、機首は横に引き伸ばしたような形が特徴。前方にはSu-33と同じく全遊動式のカナード翼を装着する。主翼と尾翼はSu-27から流用されるが、Su-27の胴体後部にあるベントラルフィンは廃された。エンジンは、Su-27と同じくリューリカ設計局AL-31Fターボファンエンジンを2基搭載。高高度における最大速度はマッハ1.8を実現し、戦闘機であるSu-27(マッハ2.3)と比べれば劣るものの、戦闘爆撃機としては十分な性能を誇る。
並列複座のコックピットは、左席が操縦士、右席は兵装担当となる。固定式キャノピーを採用するため、乗員は前脚後部にある梯子を登り、コックピット背面のドアから出入りする。乗員区画は与圧され、高度3万フィートまでは酸素マスクを使わず過ごすことが可能。電子ヒーターや保温ボトルなどが設置され、飲食もできる。アビオニクスはB004多機能高解像度パッシブフェーズド・アレイ・レーダーを搭載し、空対地能力が大幅に強化された。
バリエーション
バリエーションは、試作型のSu-27IBを経て、基本型となるSu-34が最初に登場。また、試作時にSu-32と呼ばれた海軍型Su-34FNの開発も進められたが、現在のところ配備される予定はない。また、2016年からはアビオニクスを強化した改修型Su-34Mが登場し、既存の機体も順次アップグレードされることになっている。
兵装
固定武装として「GSh-30-1 30mm機関砲」を搭載。これはSu-27と同じものである。主翼下には合計12箇所のハードポイントが設定され、ライバル機であるF-15Eと同様、約8トンもの兵装を搭載可能となっている。空対地ミサイル「Kh-29」や「Kh-59」、空対艦ミサイル「Kh-31」、投下型爆弾などを数多くの兵器を運用できる。また、自衛用の空対空ミサイル「R-27」、「R-73」、「R-77」なども携行する。
エースコンバットでは?
エースコンバットシリーズで初登場したのは「5」。当時は海軍向け試作型「Su-32」の名称で収録された。続く「ZERO」も同じく「Su-32」として登場し、マルチロックの空対地ミサイルXAGMを運用することができた。その後、「AH」や「INF」では「Su-34」として収録。最新作「7」ではクルビット可能かつ空対空兵装HCAAを運用できるアタッカーとして、攻略はもちろんマルチプレイモードでも戦える機体となった。
主な兵装
Kh-29T
ソビエト連邦が開発した空対地ミサイル。先端、前部、後部に4枚ずつのフィンを持つのが特徴。テレビ誘導タイプのKh-29T、レーザー誘導タイプのKh-29Lなどが存在する
Kh-31
ソビエト連邦で開発された中距離空対艦・レーダーミサイル。終末誘導にアクティブレーダー方式を用いる対艦型、パッシブレーダー方式を用いる対レーダー型がある。
R-77-1
ヴィーンペル科学製造連合が開発したアクティブレーダー誘導の中距離空対空ミサイル。R-77-1は2009年に発表された改良型で、ECCM能力が向上したシーカーを採用する。