開発経緯
第4世代ジェット戦闘機に代替する新型戦闘機開発計画「統合打撃戦闘機計画(Joint Strike Fighter Program)」に基づいて開発された、第5世代ステルス多用途戦闘機がF-35 ライトニングII。製造は、同じくステルス戦闘機を開発したロッキード・マーティン社が担当した。概念実証機であるX-35は2000年、量産型のF-35は2006年に初飛行が行われ、2011年からアメリカ空軍に配備された。以降アメリカ海軍や海兵隊はもとより、イギリス、イタリア、オランダ、そして日本の自衛隊にも配備されるなど、現在数多くの国々で運用されている。
機体概要
バリエーションは、空軍での運用を前提とした基本型「F-35A」、短距離離陸・垂直着陸(STOVL)を可能とする「F-35B」、海軍での運用を考慮した艦載機型「F-35C」の3タイプで構成される。C型では低速時の揚力と安定性を高めるため主翼、垂直尾翼、水平尾翼が大型化されている。いずれもF-22に似た外形をしているが、胴体部は厚みがあるのが特徴的。全長は15.7m(C型)、翼幅は13.1m(C型)とF-22と比べてやや小型。エンジンは双発のF-22に対し、F-35はプラット・アンド・ホイットニー社製F135ターボファンエンジンを搭載し、最大速度はマッハ1.6に達する。また、コンピュータによる情報統合を推し進め、従来のヘッドアップディスプレイに代わり、ヘッドマウントディスプレイシステム(HMDS)を採用したことも特筆すべきポイント。レーダーはノースロップ・グラマン社製のAN/APG-81を採用し、空対地・空対空はもちろん、電子戦能力も持ち合わせる。
兵装
兵装は固定武装として「GAU-22/A ガドリング砲」、「25mm機関砲ポッド」を搭載。それ以外の兵装は、ステルス性を維持するために胴体のウェポンベイに格納される。空対空ミサイルは「AIM-120 AMRAAM」、「AIM-9X」、空対地ミサイルは「AMG-88E AARGM」、「AGM-65 マーベリック」、対艦ミサイルは「LRASM」、さらにペイブウェイなどの投下型爆弾など多岐に渡り、空対空および空対地任務を幅広く遂行することができる。また、最新型空対地誘導爆弾の「AGM-179 JAGM」も計画されている。
エースコンバットでは?
エースコンバットシリーズでの初登場は「5」。この続編となる「ZERO」を含めてC型が登場したものの、「AH」ではB型、「INFINITY」ではA型およびB型、「7」においては再びC型が登場するなど、作品によって運用タイプが異なっている。現在のところ、敵味方ともにエース部隊の搭乗機体として扱われておらず、性能面でもF-22に一歩譲ることが多い。しかし、現実と同様充実した対地兵装、最新鋭機ゆえの高い機動性、ステルス性を備えており、プレイアブル機体としては十分な性能と言えるだろう。
主な兵装
・GAU-22/A ガドリング砲(A型の固定武装)
・25mm機関砲ポッド(B型/C型の固定武装)
・AIM-120 AMRAAM
・AIM-9X サイドワインダー
・AGM-65 マーベリック
・AMG-88E AARGM
・AGM-154 JSOW
・AGM-179 JAGM
・LRASM
・ペイブウェイ
AGM-154 JSOW
テキサス・インスツルメンツ社が開発したスタンドオフ滑空誘導爆弾。動力は持たないが滑空翼により射程を確保。GPSにより目標まで誘導する。ステルス性も有する。
AIM-120C AMRAAM
米国ヒューズ社が開発した中距離空対空ミサイル。アクティブレーダーホーミング方式を採用し、ミサイルの自律誘導を可能としたのが特徴。また、多目標攻撃能力も備える。
ブリムストーン
MBDA社が開発した空対地ミサイル。AGM-114ヘルファイアの形状を模し、ロケットモーターやシーカーを専用開発した。ミリ波誘導方式を採用し、撃ちっ放し能力を持つ。