開発経緯
ロシアのスホーイ社(現UAC)が開発した多用途戦闘機がSu-57。1990年代末、ロシアは旧式化しつつあるMiG-29やSu-27の後継となる次世代戦闘機計画(PAK FA)を模索していた。当時のロシアにはミコヤンおよびスホーイ設計局が存在しており、1998年に両設計局がデザイン案を提出、2002年にはスホーイ案が採用され開発が進められた。これが、アメリカのF-22やF-35と同じくステルス性を備えた最新鋭の第5世代戦闘機「T-50」の誕生である。2010年に初飛行が行われ、2017年には「Su-57」の呼称が与えられて生産を開始。2028年までに量産型76機が生産される予定となっている。公式には発表されていないが、一部メディアでNATOコードネームは「フェロン(Felon:重罪人)」と報じられた。
機体概要
機体形状は、ブレンデッドウィングボディを採用し、エアインテークの前方に前縁渦流制御装置と呼ばれる可動式LERX(ストレーキ)が設けられる。これに全遊動式の垂直尾翼、水平尾翼を組み合わせているのが外形の特徴。全長19.8m、翼幅14.0m、全高6.05mのサイズは、ライバルであるF-22よりもやや大きいが、同じスホーイのSu-27と比べると小さい。これらの翼はデジタル・フライ・バイ・ワイヤによって制御されている。エンジンは、当初リューリカ設計局のAL-41F1が搭載されたが、今後は「Izdeliye 30」と呼ばれる新型エンジンが搭載される予定。現段階での最大速度はおよそマッハ2程度と推測されている。 コックピットは、基本的にSu-35と同じ機材で構成されるが、ヘッドアップディスプレイはより大型の「SHKS-5」に置き換えられた。アビオニクスは、アクティブ式電子走査アレイレーダー「ベルカ」を導入し、400km先の目標を追尾できるほか、30の空中目標、4の地上目標を同時に捉えることが可能といわれている。また、データリンクにより友軍機とリアルタイムに映像や音声なども共有可能。このほか、「e-パイロット」と呼ばれる人工知能システムも搭載されている。
兵装
兵装は、固定武装として「GSh-301-1(9A1-4071K) 30mm機関砲」を1門搭載する。胴体下面(エアインテークの間)の2箇所にはウェポンベイが設けられ、空対空戦闘時には4発の「K-77M」または「K-77ME」の中距離空対空ミサイル、さらにR-37Mの発展型である「Izdeliye」を搭載可能。また、空対艦戦闘時は4発の「Kh-38M」、「Kh-58UShKE」、「Kh-35U」、さらに短距離空対空ミサイル「R-74M2」も運用できる。なお、ステルス性を犠牲にすることで、主翼下4箇所にあるハードポイントにも兵装が搭載可能となっている。
エースコンバットでは?
エースコンバットシリーズにおける初登場は「AH」。この時の機体名称はPAK FAと呼ばれていた。その後は「3D」に続き、T50として「INFINITY」にも参戦。そして「7」ではSu-57の名称で登場し、ラプターに並ぶ東側最強機体として収録されている。なお、「7」のDLCではトップガンマーヴェリックとのコラボにより、”5th Gen Fighter”も新たに追加された。これは映画の作中に出てきた機体を模したもので、Su-57とは異なる性能および特殊兵装が与えられている。いずれの作品でも最強クラスの一角であり、今後の作品でも注目すべき機体となるだろう。
主な兵装
・GSh-301-1 30mm機関砲
・R-77
・R-73(K-74M2)
・Kh-35
・KAB-500L
KAB-500L
ソ連空軍によって開発されたレーザー誘導爆弾で、後にロシア空軍でも運用されている。FAB-500汎用爆弾(1100ポンド)にセミアクティブレーザーシーカーを装着する。
R-73(K-74M2)
ヴィーンペル機械設計局で開発された赤外線誘導式の短距離空対空ミサイル。ヘッドマウントディスプレイとリンクすることで、オフボアサイト射撃能力も持ち合わせる。
R-77-1
ヴィーンペル科学製造連合が開発したアクティブレーダー誘導の中距離空対空ミサイル。R-77-1は2009年に発表された改良型で、ECCM能力が向上したシーカーを採用する。